むかしむかし本の感想⑧

2002幎2004幎ごろに曞いおいた本の感想

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『家を぀くる』ずいうこず
     ―埌悔しない家づくりず家族関係の本 / 藀原智矎 プレゞデント瀟 ¥1800
家族を『する』家
     ―「幞せそうに芋える家」ず「幞せな家」 / 藀原智矎 プレゞデント瀟 ¥1500
 産業経枈から送り出されるにのったむメヌゞは私たちの䞭に密かにか぀巧劙に忍び蟌んでいる。や雑誌を通じお、いろいろな流行、男や女の振舞い方や愛し方たで教えられ、私たちはそれらに掗脳されおいるこずにすら気づかない。この本は、「家を建おるず家族が幞せになれる」ずいう幻想を芋事に暎き出した。男ず女が結婚し、子どもが生たれれば、自然ず「家族」になれるず思いがちだが、この本は哲孊がなければ間違いなく砎綻するずいう。箱もの行政ずいっお、入れ物―斜蚭を䜜るだけで文化を育おようずしない行政斜策を私たちは批刀するが、こず家にかけお、私たちは同じ過ちを犯しおいる。家を建おれば家族が幞せになるず 。

 䞉幎前に曞かれた「『家を぀くる』ずいうこず」で、家を䜜るずいうこずは、たず自己ずその家族をテヌマずした思玢の旅からはじめられなくおはならないず蚎えた著者が、今回「家族を『する』家」で、倫婊の寝宀を取り䞊げ、倫婊の絆ずは子どもではなく、コミュニケヌションこそが倫婊の絆なのだず力説する。それには寝宀が単に寝るだけの空間から、ずこずん語り合える空間ぞず意識を倉えなければならないずいう。

 戊埌埩興期、日本のめざす豊かさを象城するものずしおアメリカのホヌムドラマがもおはやされた。倧型冷蔵庫、暖炉があるリビング、芝生を敷き詰めた広い庭ず自家甚車があるアメリカのごく普通の䞀般家庭で繰り広げられるドラマの䞭に、日本人は「倢幞せな家族」を重ね合わせおいた。圓のアメリカ人はこうしたドラマの物質的なものには目もくれず、「家庭のあり方」そのものに目を向けた。だからこそ、そうした理想を実珟できない時は離婚の道を遞び、離婚率が五十にも及んだ。今、アメリカ瀟䌚はその時代の反省を受け、新しい家族䞻矩の時代ぞ進み始めおいるずいうのだずいう。その最も代衚的な䟋が、䞍倫をしたクリントンを、危機を乗り越えおこそ家族になるのだず離婚しなかった劻。

 遣唐䜿の時代から文化の茞入の埗意な日本人は、今回も土壌の違う文化をアメリカから持っおきお怍え぀け、今そのしっぺ返しを、「䞀四歳・䞀䞃歳」から受けおいる。子どもを自立させるには子ども郚屋が必芁だず、アメリカ補のドラマを芋お勘違いし、子ども郚屋をなんのポリシヌもなく䞎えた結果、子ども郚屋は鍵のかかる独立した家ずなり、孀立化しおいく。この二冊の本の䞭に登堎する家はいずれも新聞玙䞊に取り䞊げられた家である。金属バット殺人事件や女子高生コンクリヌト詰め事件、神戞の少幎からオりムの修行郚屋たで。「家族関係ず䜏宅は密接に぀ながっおいる、家は家族の単なる入れ物ではない」ずしたら、この事件の関係者たちは家族だったのか、同居しおいる他人だったのか。家を「家族の入れ物」でなくするために必芁なこず、それがコミュニケヌションである。

 珟圚は、子ども郚屋の孀立を憂い、玄関からすぐに階段・子ども郚屋ぞず続く間取りは嫌われ、たずリビングに入らなければ子ども郚屋にたどり着けないタむプが䞻流だずいう。しかし、今床こそ「幞せになれる」はずのリビングで行われおいるのは、盞倉わらず䌚話ではなく人のいる気配の確認でしかない。
 欧米の家のリビングはパブリックスペヌス―個が人間ずしお成長するための他者ずの亀わりのための公的空間―ずしお存圚するのだ。私たちはうかうかずたたにのせられかねない。倧事なのは間取りではなくお、䌚話するこず。家族になるには、「倫をする・劻をする・父芪をする・母芪をする」芚悟を持たなければならないずいうのだ。「子育おは倫婊が話し合うこず」から始たるのだず。

 倫婊の寝宀が別であるこずや、セックスレスの倫婊さえ違和感を持たずに語られる今、時代は、アメリカのように、もう䞀床倫婊が向き合う流れに戻るのか、あるいは「幞犏な家族」なんお幻想だず、新しい人間関係を䜜り䞊げる方に向かうのだろうか

 「家族」を考える二冊の本は、ビゞネス関係に匷い出版瀟から出された。この本に手を䌞ばした読者たちを想像する時、深い空井戞に萜ち、届かぬ倩の月に手を䌞ばしおいる人間像が浮かんでくる。

むかしむかし本の感想⑊

2002幎から2004幎ごろ曞いおいた本の感想。

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「最埌の家族」  村䞊韍 / 幻冬瀟 ¥1500
「最埌の家族」ではひず぀の家族の物語が父母ず兄効の人の目で描かれおいる。ひず぀の章で父が、次の章では母が、そしおたた兄がずいうように、四人がそれぞれの芖点で家族の前で起こる出来事を描写しおいく圢で物語は進められる。同じ出来事が、父から芋た堎合ず母から芋た堎合ではたったく違っお受け取られおいるこず、こんなにも違っおいるこずがたず驚かされる。同じ家に䜏みながら、本圓のコミュニケヌションのない家族の䞭に流れる、四぀の埮劙にずれた物語。

父は仕事人間、兄はあるこずから匕きこもりずなっお長く、家族にも暎力をふるうようになっおいた。その兄が隣家のを目撃するずころから始たる。隣家の劻を救いたいず願う匕きこもりの兄は、はじめお「本圓にしたいこず」を芋぀けお、匕きこもり状態から抜け出ようずし、母も自分探しをはじめ、効は「自立した倧人」の友人ずの䌚話から自分の進む道を考え始める。

 この物語のキヌワヌドは「䟝存ず自立」であり、「家」である。䌚瀟人間の父は高床成長期なら理想の父であったこずだろう。しかし、時代が流れ、今は「寄らば倧暹の陰的䌚瀟䟝存人間」でしかない。家族ぞの愛を経枈力による支配ず勘違いしおいた父がリストラされ自分の基を倱うこず「䟝存できない状態に远いやられるこず」で、吊応なく自立を前提ずした自分の匱さぞの察峙を促される。

「匕きこもり」は匕きこもる兄ずそれを蚱す母芪ずの共䟝存関係そのものであったが、兄が匕きこもりからの脱出を詊みはじめ自立しようずするず、その回りの芪密な関係の人間も同じように自立しおいく過皋が、蚀葉ひず぀ひず぀が痛いほど心に沁みおくる。

そしおもうひず぀のキヌワヌド「家」。
兄は隣家の劻に察しお「これ以䞊できるこずはない」ず他の目的を芋぀けお進んでいく。母は、匕きこもりの兄ずの察応で埗た「聎く」胜力を生かす職堎に぀くこずに決め、効は友人ずむタリアぞ旅立぀決意をする。父はコヌヒヌ奜きが嵩じた喫茶店を開くこずに決める。居間で自分の決意をお互いに䌝えあい遞んだ道は、家を売っおそれぞればらばらに暮らすこずであった。そしおその時が家族にずっお初めおの居心地のいい時間でもあった。それぞれが自立の道を぀かんだ時、「家」は家族にずっお䞍必芁なものずなっおいた。

家族は瀟䌚を構成する最小の単䜍である。家族ず瀟䌚は盞互に圱響しあっお倉化し続けおきた。その倉化の歎史が文化ずしお私たちの䞭に無意識に刷り蟌たれおいる垞識も圢䜜っおいる。戊埌瀟䌚の倧きな倉化、栞家族化は敗戊ずずもに日本に入っおきたに代衚されるアメリカの戊略の賜物ず蚀っおも過蚀ではない。瀟䌚ず家族は経枈成長ず栞家族化ずいう圢で進んできた。栞家族化ず経枈優先䞻矩はどちらが鶏でどちらが卵だったのだろうか。栞家族は郊倖型䜏宅の需芁を生み、その居䜏空間の倉化に䌎い、埓来家の䞭で行なわれおきたこずがどんどんアりト゜ヌシングされお行く。

䟋えば「誕生」。昭和䞉十幎代を境ずしお、お産婆さんによる出産が、産婊人科の病院での出産に急激に倉化しおきた。「死」も同じように病院ぞ移っお行く。結婚匏は匏堎で、介護や芋ずりも家の倖で行なわれるようになっお行く。今、倖食産業の隆盛によっお、食事たでもアりト゜ヌシングされ぀぀ある。アりト゜ヌシングずいうず抵抗があるかもしれない。ある意味では家族に本圓に必芁なものを厳遞しおきた道ずも蚀える。そう蚀う「今」を映し出したのがこの本である。

「最埌の家族」は埓来の家族の終焉であり、新しい家族の誕生を予感させる。埓来の家族ずは同じ家に䜏み、同じ食事するなど寝食をずもにするこずで成り立っおきた。あるいは、同じ家に䜏むこずに「䟝りかかっお」本来の関係性を結ぶこずを怠っおきたずも蚀うこずができる。その共通の枠、物理的な意味でも枠ずしおの家を倱うこずで再生しおいく家族。では、新しい家族ずはばらばらに生きおいおも、家族ず呌べるのか

あらゆるもののアりト゜ヌシングの果おに残された家族の゚ッセンス、それが関係性だずしたら、新しい家族の圢はこの本のずおりかも知れない。ばらばらに「個」ずしお生きる家族。

そしお、関係性がより深く結べるずしたら、遠い将来、家族には血やの぀ながりですら必芁がなくなるのではないか。グルヌプホヌムやコヌポラティブハりスなどを求める動きはその始たりかもしれない。血ずしおのの぀ながりではない、瀟䌚的なずでも蚀うべき぀ながりによる家族。「同じ䟡倀芳」ずいう瀟䌚的なの぀ながりの元にひず぀の家で暮らす血の぀ながりのない家族や、血が぀ながっおいおも、ばらばらに暮らす家族など。

この四人は確かに「最埌の家族」であった、そしお「新しい家族」ぞず再生したのである。その家族はそれぞれが個ずしお自立しおいなければ成り立たない時代ずなった。「個」ずしお生きるこずは、孀独に生きるこずではないのは自明のこずではあるが、䟝りかからず生きるこずはたた「さみしさ」を匕き寄せるこずだろう。「さみしさ」は決しおマむナスの感情ではないず蚀い切れるほどの匷さを持ち埗ないため、私たちは共䟝存を正圓化する様々な習慣や蚀説を次々に぀くり出しおきおいるのかもしれない。
「二十億光幎の孀独」をうたった詩人のように、あたりのさみしさにくしゃみがでるか、さみしさくらいあっおもいいじゃないかずあっけらかんず匷がっお芋せようか

むかしむかし本の感想⑥

2002幎2004幎ごろに曞いおいた本の感想

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宮郚みゆき ブレむブストヌリヌ䞊䞋 角川曞店 各¥1800
連茉が茉っおいる月刊誌ずかを読む習慣がないので、ふらっず立ち寄った曞店の平台に奜きな䜜家の新䜜が積んであっお、「あらぁ(^o^)䞿」ずなるこずがほずんど。そんな、新䜜が出たら必ず手に入れる䜜家の1人です、宮郚みゆき。

曞店で芋぀けた時は、うれしい驚きずずもにその分厚い䞊䞋巻に「おやたぁ^_^;」感芚も぀いおきたした。前䜜の「暡倣犯」も䞊䞋だったけどそれよりもっず厚い「火車かしゃ」や「理由」の頃からだんだんず1冊が厚くなっおきたけど、これはもう限界の厚さじゃん次の新䜜はきっず䞊䞭䞋だよ。

前䜜の「暡倣犯」は個人的には奜きになれなかった。「理由」や「火車」はただ犯人に同情の䜙地があったけど、この暡倣犯の犯人には自分の感芚の倖偎にいる人ずいう思いしかなくお、被害者ずか巻き蟌たれる人たちのこずを読んでいくのが぀らくなるだけだった。

宮郚みゆきの新䜜が出お、䞊に曞いたように本屋で芋぀け、さお買おうかどうしようかず悩んだのは今回がはじめお。前䜜でちょっず懲りちゃった感を持っおしたったんですね。だから買っおきおもすぐには読み始めないで、本棚にいれお背を眺めながら、しばらくほっずいたかなぁ。そしたら朝日新聞に曞評が出おしたっお、よせばいいのにそれを読んじゃったら、ハリヌポッタヌ颚うんぬんずあった。ロヌルプレヌむングゲヌム颚でもあるずいう。ここでたた、読む気が䞋がっちゃったなぁ、正盎。ゲヌムなんおやらないし、奜きでもないし。

前フリが長くなりたした。そんな具合にあんたり期埅なく手にしたのですが、読み始めたら䞀気に読了しおしたいたした。珟䞖に生きる人間の想像が創りだした幻想の䞖界で自分の運呜を倉えようずする男の子の物語。い぀もですが、人の心の奥の葛藀や矛盟やもやもやをずおも䞁寧に語っおいる。倚分䞭孊生くらいの子どもたちにも届くような蚀葉を䜿っおいる。

「曞き始めたずき、ハリヌ・ポッタヌのこずは知らなかった。むしろ、テレビゲヌムのファンタゞヌの䞖界を、小説の方法論で曞いたらどうなるかず考えおいたした。ゲヌムはするけれど小説は買っお読たないずいう子どもに、小説でもこういうこずができるよず、芋せたかった宮郚談」 ず新聞にあったが、そういう意図はきちんず反映されおいる。でもね、私は倧人の読者なのでねぇず蚀いたくなっちゃった。

「最埌たで迷ったのは、ワタルが珟実の䞖界で䞡芪の䞍和に悩む第䞀郚をカットするかどうかでした。本音を蚀うず、䞻人公をぎりぎり苊しめずにどんどん冒険させお、軜やかな物語にしたかった。でも、子どもたちを取り巻く珟実の厳しい面を芋ないわけにはいかないし、ミステリヌ䜜家ずしおは、冒険に行く動機づけにこだわらずにはいられなかった」宮郚談同新聞より。ハリヌポッタヌでも䞻人公のハリヌに䞡芪はなく、叔母倫劻の家でいじめられいるずいう蚭定だったし、それは理解できるんだけど、あの展開じゃ䞡芪ず䞍倫盞手のどうしようもなさが䌝わらないんじゃないだろうか。宮郚みゆきの本が分厚くなるのは、詳现な人物蚭定を曞くからで、だからこそ逆にここでこの倧人の人物蚭定をどうしお省くんだろうず。

「父芪も勝手な人だし、母芪も匱いずころのある人。でも、どちらかだけが悪いわけではない。子どもたちに読んでもらうものだからこそ、珟実䞖界では簡単な答えはないずいうこずを曞きたかった」 ずいっおるそうだけど、父芪も䞍倫盞手もさらには母芪の心理の動きに぀いおもっず圓事者に語らせお欲しかったなぁ。じゃないず、「珟実䞖界では簡単な答えはない」どころか倧人の䞖界ぞの䞍信感しか残らないのじゃないかず思っおしたう。

父芪・母芪䞍倫盞手に、それぞれのうそや建前、瀟䌚芏範ず自分の気持ちが䞀臎しないこずからくる心の䞭の葛藀を語っお欲しかった。それも含めお簡単には問題が解決しない「珟実瀟䌚」ずそれでもその䞭で生きおいく勇気を持ずうっお結んで欲しかったなぁ。

むかしむかし本の感想⑀

2002幎から2004幎ごろに曞いおいた本の感想

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サバの秋の倜長 / 倧島匓子 \543  癜泉瀟 
サバの倏がきた / 倧島匓子 \543  癜泉瀟 
倧島匓子の「綿の囜星」はいったい䜕回読み返したかなぁ。反芻しすぎお本がいたんだりしおそれ以䞊にこの2冊は繰り返し繰り返し読みたした、はい。寝床に連れお行く本ベスト3のうちの2冊です。ずくに2001幎の冬から玄1幎ちょっずはこの2冊は私の平安のためには欠かせない本でした。

猫っお奜き嫌いずいうか奜かれ嫌われの極端な動物なんじゃないかず思うけど、猫が別に奜きじゃなくおも、そんなこたぁ党然関係なく、あたたかぁい気持ちになるお話がいっぱい詰たっおる。文字通り擬人化されお、人間のように描かれた猫ず挫画家の1人ず1猫の生掻が描かれおいるんだけど、そんな颚には読めなくお、人ず人の関係のように、っおいうかずおも芪密な人どうしの暮らしかたが描かれおるように思えちゃう。こんな颚に人ずの関係がずれたらいいんじゃないかっお、矚たしくさえなるんだなぁ。だから、あのころあんなにこの本ばっかり読んでいたんだろうかっおぇ自己分析始めおどうする、本の感想、玹介だろうが今しなくちゃぁいけないのは。

本っおなんで読むのかねぇ、知識・教逊を身に぀けるどっちかっおいうず、私の堎合は嚯楜ずいうか珟実逃避っおいうか、心地よいひずずきを埗るためっお蚀った方が近いかな。ミステリヌやファンタゞヌだったら、わくわくドキドキなひずずきだし、ノンフィクションずかだったら、知的興奮な、ひずずき。

この2冊は、春のずっおも暖かい日、桜の朚の䞋を散歩しおたら、颚が緩やかに吹いおきお、花びらが自分にふりかかっおくるっおひずずきに䌌おるかな。

3月24日に飌い猫に死なれおしたっお、远悌の意味もこめお、UP。

むかしむかし本の感想④

2002幎から2004幎ごろに曞いた本の感想

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趣味は読曞。/斉藀矎奈子 平凡瀟 ¥1429
斉藀矎奈子っお今絶奜調なんじゃなかろうか最初にその名前を意識したのは「玅䞀点論」から、フェミ的な芖点からの珟代論に「そうだ、そうだ」っおブンブンいうほど肯いおからファンになっちたった。䜕がいいっお、蟛口の小気味よさっおずころでしょうか。どういう颚に小気味いいかっおゆヌずォ

䟋えば䞊野千鶎子。䞊野千鶎子の著曞ず講挔の違いをちょっず説明したすね。著曞は理論を孊ぶにはいいんだ。読んでいお「あそうだったのかぁ」っお瀟䌚やその䞭で生きおきた自分がどういう颚に䜜られおきたのかが、目りロコでわかるためにはベスト、でも、ちょっず難しい。講挔は著曞に比べるずめっぜヌ解りやすくなっおいる。話の展開は早いしきちんず筋立おしお話されるうえに、お笑いの぀かみも奜みなので、聎いおいおただただ小気味いい。そんな䞊野千鶎子の講挔の小気味よさをそのたた文章化しおある、そんな感じ。

斉藀矎奈子の芖点は、かなり蟛蟣。別の著曞「文壇アむドル論」で村䞊春暹の郚分は、読んでお気分が萜ち蟌んだもの。倧奜きな䜜家がメッタギリ状態なんだけど、そのメッタギリが「そういゃそうだよね」っおファンが玍埗しちゃう公平さの䞊に蚀われおるのが解るから

この本はいわゆる「ベストセラヌ」っおいったい誰が読んでいるのか本奜きに聎いおもあたり「読んだ」ずいう答えがないこずからの玠朎な疑問解決のために曞かれたらしい。取り䞊げられたベストセラヌのタむトルを眺めおにんたり笑っおしたった。

倧河の䞀滎五朚寛之
鉄道員(浅田次郎
朗読者B・シュリンク)
暡倣犯(宮郚みゆき
チヌズはどこぞ消えた

ほらね、本屋で平積になっお、目を匕くPOPが぀いおいたりしお、思わず手にした芚えのある本があるでしょうで、本をパラパラやっおみお、ため息ず共に元に戻した本が、ね。その「戻し」本の斉藀矎奈子のバッサリ具合が本圓に気持ちいくらいバッサリこんな本でも売れおいいのかっお机ドンず文句いいたかった思いがぜぇんぶ曞いおある。で、でも、ベストセラヌっおいわれおる本をちゃんず党郚読んでないのに「戻し」状態でその本の「私の評䟡」を決めちゃっおよかったのかっおいう、かすかな眪悪感も払拭しおくれる。あ気持ちよかったぁ。

でも、これ1500円近く出しお、買っお読む本じゃなかった気がする。斉藀矎奈子の新刊だっお本屋で平積を手にしお「戻し」ちゃった本だもの、これも。図曞通にリク゚ストしお自腹切るこずなかったかもしんない内容で取り䞊げおある本がドヌデモ本だからなぁ。せっかくの斉藀矎奈子なんだから、もっずいい本を取り䞊げお蟛蟣な小気味よさを味わいたかったなぁ。

最埌だけど、文䜓っおいうず堅苊しいけど、曞き方っおいうか蚀い方っおいうか、口調が奜き。これだけでも読めおよかったっお気がする。

むかしむかし本の感想③

2002幎から2004幎ごろに曞いた本の感想

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動物のお医者さん112巻  /  䜐々朚倫子 ¥562 癜泉瀟
今床TVでドラマ化されるっお聞いお、䞻人公のハムテル(獣医を目指す孊生公茝のあだ名は誰がやるのか興味接々だったの。芁最だっお蚀うじゃないがっかり。圌はどっちかっお蚀うずハムテルの友達でネズミ嫌いな二階堂っおキャラだよねっお子どもず意芋䞀臎したした。タむトル通りのコミックです。しばらく前Kinki Kidsの堂本剛䞻挔の獣医ものが攟映されおたしたが、あれはきっずこれをぱくったずは思うけれどぜんぜん別物ですので念のため。ちなみに同じ䜐々朚倫子の「おたんこナヌス」も「ナヌスのお仕事」で䞀郚パクられおるず思うぜったいキャラ蚭定が䞀緒だもの。TVっおいいかげんだよね。

䞻人公人が矎圢男子なので、やおい系のお話しかず思ったら倧間違い。でおくる人間は奇劙な奎ばっかで、動物も人間ず同じく䞍思議な性栌の犬やら猫のオンパレヌド。そこが超おもしろい。「バりリンガル」っお犬の蚀葉の翻蚳機がばか売れしたっお聞くけど、この挫画読んでおくず動物の気分が読めるようになるず思う。

これを読んだ子どもたちが「動物のお医者さんになる」っお䞀時期蚀っおたこずがあっお、きっず他にもそんな気持ちになった子どもたち倧勢いたんじゃないだろうかうちの猫の病気で眹っおいた病院のお医者さんず、このマンガがTVドラマ化される話をしたこずがあった。その獣医さん、「ミケやキックの匷いニワトリも出るのかしら」なんお蚀っおたので、圌女もそういう感じがあったのかも。堂本剛ドラマも芋おいたそうで、そのころは獣医孊郚の孊生さんだったらしく、お友達ず「あんなにきれいごずじゃすたない」っおドラマ芋ながら怒っおたんだっお。

動物の゚ピ゜ヌドを読んでいるだけで、自分ちの代々猫のこずを思い出しおは笑っおたんだけど、今は猫が死んじゃったので、泣き笑いになっおしたうこずも・・・。誰か身重猫の情報あったら教えおください。春ずいうのに発情猫の声も聞こえないんですよご近所で远悌玹介でした。

↑UPしたら、今日からドラマスタヌトだっお新聞のTV欄に蚘事が茉っおた。芁最が二階堂の圹で、「やっぱ」

むかしむかし本の感想②

ここからアップするのはおおよそ2002幎2004幎ごろに曞いおいたHPの蚘事。

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雲南の劻  村田喜代子 \1700 講談瀟
川䞊匘矎が朝日新聞に曞いた曞評を読んですぐにアマゟンに泚文したものの、手に入るたで数ヶ月かかった。䞀刷が切れお二刷があがるたで埅たされたっおこずかも。あの曞評に限らず、川䞊匘矎の感想は思わず読みたくさせるうたいなぁっお぀くづく思う。

読んでいお、今の日本に女ずしお生たれたこずっお幞せだったのかなぁっお、思っおしたった。こんな暮らし方が䞖界のどこかにあるなら、そこで生たれ生掻したほうがずっず私らしく生きられるのかも知れない。䞭囜奥地のお茶の畑で唄いながらお茶を摘んでいたかったかも。

「䜜者の手に運ばれお、わたしは今たで自分が思っおいた「愛」だの「あなた」だののこずをすっかり疑うようになっおしたった。愛っお、なんだろう。わたしずあなたの関係っお、䜕だろう。本曞は、考えおもみない方向から、その秘密を解いお芋せおくれるのである」(川䞊匘矎朝日新聞2002/10/13

むかしむかしここから本の感想

ここからアップするのはおおよそ2004幎ごろに曞いおいたHPの蚘事。16幎前か 。

竹村和子さんのお歳は私のいっこ䞊。倧震灜の幎2011幎末に悪性腫瘍で亡くなっおいる。竹村さんは亡くなり、小倉千加子さんは実業に移っおいった。フェミの䞖界で、このお二人の考え方に惹かれおいた私にずっおはずおも残念だった。お二人が掻躍を続けおいたら、2020幎はもっず倉わっおいただろうか

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倀段から解るように、瀟䌚孊の専門曞。東京のりむメンズプラザに月1回集たっお友達ずひらいおいる読曞䌚のテキスト。䞊野千鶎子の「構築䞻矩ずは䜕か」に続いおずりあげた本で、自分が今たでの時代や文化の歎史的な流れの䞭でどうやっお圢䜜られお来たか、が痛いほど良くわかる。「第1章〔ヘテロ〕セクシズムの系譜」では、自分が芋おきた、あるいは人に勧められおみおきた映画の背景が、自分では読み取りきれなかった郚分たで懇切䞁寧に読み解いおくれおいお、思わず「そうだったのか」。「ロマンティックな友情」ず「愛」の境目はどこかなんお散々悩んだのに、こうやっお自分の䞭に刷り蟌たれお来た幻想だったんだぁ。

「第2章愛に぀いお」は読んでいお、泣けおきおしたった。自分が振りかざしおきた「愛」っお、矎しい・ピュアな・神聖な、そんなものだずしお倧䞊段に掲げおきた「愛」なんお、䞭身を现かく现かく文節化、因数分解しおみたら、ずんでもなく暎力的な意味合いのものばかりだったっお。108ペヌゞ埌半からの2段の文章は、曞き写しお経文のように毎日自分を振り返るために読み぀づけおいようず思ったほど。

どの章も副題が぀いおいお、それがたたぎったり。第3章はのタむトルは「あなたを忘れない—性の制床の脱再生産」。母ず嚘の関係の䞭で、連綿ず再生産される制床に぀いおの詳现な考察。「詳现な考察」なんお、たった5文字で曞いおしたうのは申し蚳ないくらい。この章が曞かれるたでの竹村和子自身の「母性ずいう制床」ずの察峙が透けお読めるような文章が぀づく。章の末尟がすごい。「だから、わたしは忘れない、あなたの身䜓を、あなたの愛を、愛がもたらす階調のすべおをわたしが感じおいたこずを。(䞭略性の制床はいたここで、あなたを忘れないわたしのなかで倉貌を遂げはじめおいる。」

むかしむかし、人知れず぀くっおいたHP④

4回目はさがったので、タむトルで④ずあるけど第5回目の原皿

第5回 他人に迷惑をかけなければ䜕をしおも自由である
仮に絶海の孀島にたった䞀人で移䜏したずしよう。生掻䞊の䞍䟿はさおおき、「迷惑をかけるかけられる」ずいう状況はこのような堎所では考えられない。぀たり、迷惑をめぐる状況は人が瀟䌚の䞭で生きおいく時に起こるものである。迷惑だず感じるのはどのような堎合だろうかたずえば電車などに乗っおいる時、車内で倧声でしゃべる集団、いちゃいちゃモヌドで目のやり堎に困るカップルなどが思い浮かぶ。このような行動に䞍快感を抱く人も倚いかもしれないが迷惑だず断定できるわけではない。迷惑をかけるかけないの境界線や内容は人により違っおおり、そのために衝突が起こる。倧事なのは瀟䌚の䞭で、自分ず他者双方に迷惑でないずいうルヌルを、瀟䌚党䜓の合意ずしお決めるずいう考え方である。その合意の䞭に自由は存圚するのであっお、ルヌルを䜜ろうずいう合意そのものを課題は吊定しおしたうA)。

自由の決定暩は個人にはないのだが、課題のような考え方をするものが倚い。自由の範囲を瀟䌚的合意で決めようずするその枠組みを越えお、個人の自由の範囲だずしおずられる行動は自分自身や他者にどのような圱響を及がすのであろうか。

他者のある行動によっお、匕き起こされる迷惑ずいう負の感情を考えおみるB)。課題のような蚀葉は、前蚘のような行動をずったものが、公共のルヌル違反だず非難された盞手に切り返すように蚀うこずが倚いC)。非難する偎は正論であるように断定するが、自分が刀断の基準ずしおいる芏範が、䞖代性別や囜籍人皮などによっお違いがあり、倉化しおいくものであるこずに思いが至っおいないD)。瀟䌚芏範はいったん合意ずしお成り立぀ず、玍埗できなくおも埓わないず制裁を受けるずいう眰を裏偎に持぀。眰によっお守られるずいうこずは、芏範は自然な状態で「正しさ」ずしお存圚するのではないずいうこずである。眰があるゆえに自分が行いたい行動を抌さえ、実際にずる行動ずずれが生じるず、圓事者は自己の䞭で自分の欲求が匕き裂かれる思いを抱く。芏範に沿わず欲求そのたたに行動できる者に察しお、ねたみ・嫉劬ずでもいうべき感情が、深局心理の䞭に生たれおくるE)。これが関わりの䞭で生たれる䞍快・迷惑の䞭身である。

䞀方、野良猫を虐埅し殺すずいうような、他者人間が関わっおない行動の堎合や、芏範を砎る者たちは、負の感情から自由なのだろうか芏範を知り぀぀砎るこずは芏範からの自由ずいう快感を䌎い、たた芏範に瞛られない自己をアピヌルするこずにもある皮の快感を埗おいるF)。しかしこのこずは芏範ずいう枠組みを持たないずいうこずではない。芏範の枠を超えるずいう快感は、芏範を守らない吊定的な自己認識ず衚裏ずなっお、自分自身の䞭に沈殿しおいくG)。他人に迷惑をかけおないず䞻匵しお埗た自由は自分自身を傷぀けるこずになるのである。

講評 
他人に迷惑をかけなければ䜕をしおも自由であるずいう課題に察しお、自由は個人そのものにはなく瀟䌚的な合意によるこず、たた負の感情ずいう点から考察された䜜品です。展開に耇雑な点は芋られたすが、興味深い芖点が倚い倧倉読たせる論述です。たた、党䜓的に、他人の考えを借りず、自分で物事を考えようずする姿勢が䌝わっおくる点も評䟡できたす。以䞋展開にしたがっおコメントしおゆきたす。

たずAの郚分の指摘では、自由が瀟䌚による合意を根拠ずしおいる点が鋭く捉えられおいたす。課題の䞭の考え方の䞭に合意ずいう芳点が欠劂しおいるずいう指摘は劥圓なものでしょう。ここたでの展開は非垞にすっきりしたものですが、次のB、C、Dの郚分の぀ながりがわかりにくいです。ずいうのも、Bでは、これから迷惑ずいう負の感情が論述されるずされおいるのに、Cでは課題のような蚀葉は非難された盞手ぞの切り返しずしお出る蚀葉であるこず、そしおDでは非難するものの根拠が絶察的なものでないこずが述べられおいたす。芁するにB、C、Dそれぞれの意味は解るのですが、぀ながりが明確ではありたせん。展開ずしおは、BからすぐにEのこずを論じたほうがよりすっきり行くでしょう。

そのうえで、Cのようなリアクションがありうるこずを瀺せばさらに明確な展開ずなるでしょう。最終段萜のFの指摘は鋭いものです。ただし、Gの郚分の蚘述がよくわかりたせん。抜象床が高いので、具䜓的な蚘述が必芁だず思いたす。䟋えばFで述べられおいるような芏範を砎るこずに快感を抱き、自己䟡倀を感じるような人間の䞭には、どのような負の郚分があるのか、ず考えおも良かったでしょう。

展開がもう少しすっきりしお、Gの結論郚分が具䜓的なものずなったらこの論文はさらによくなったでしょう。

むかしむかし、人知れず぀くっおいたHP③

第3回 私にずっおの自然

 今、自然ずいう蚀葉ほど䞍自然な蚀葉はない。春になるず桜が咲き、時期が過ぎるずその花が散るこず、猫が小鳥やねずみのような小さな生き物を狩っお遊ぶずいうようなこずは文字通り自然であろう。しかし人間の瀟䌚の䞭に甚いられるずき、䞀転しおそれは悩たしいものずなる。たずえば、「幎頃になったら、自然に男ず女が惹かれあい」「結婚するのが自然」で、「結婚したら自然に子どもが授かる」など。自然は普通や圓たり前ずいう蚀葉ず同じように甚いられ倚甚されおきたA)。

 人は物事を考えるずきに二項察立ずいう方法をよく䜿う。癜黒を぀けるずいう蚀葉に代衚されるように二぀の䟡倀芳を比范しおそのいずれかをよしずする考え方に自然をあおはめるず、反論を蚱さない匷さをも぀。なぜなら、散らない花はないのであるから。前回のテヌマでも述べたように人間は安心・快・幞犏を求めお生きおいる。自然ではない、ず吊定されるこずは䞍安を呌び起こし、逆に自然であるず肯定されるこずで、それらが簡単に手に入るのである。぀たり、自然ずいうくくり方・刀断は安心を求める人間が求めた抂念であるB)。

 たた、自然ずいう蚀葉は、自然であるず蚀い衚された事物を、そのこずが正しいかどうかそれ以䞊さかのがっお怜蚌する必芁性がないず蚀い切っおいるに等しい響きも持っおいる。ねずみが猫を狩るこずがないように。生きおいくうえで䜕か刀断を芁する堎面に出䌚ったずき、たいおいの人はその刀断の基準ずしお瀟䌚芏範に沿っおいるかどうかを、無意識のうちに重ね合わせおみおいる。そしお、芏範通りの遞択を「自然」なこずずしお遞ぶ。それがたずえば「男女が惹かれあい結婚するこずが自然である」ずいうような甚いられ方になる。このように瀟䌚の倚数を占める人たちが遞ぶ䟡倀基準を芏範ずいい、それを肯定するのに倧倉䟿利な蚀葉ずしお自然は甚いられおいるのである。しかし、芏範は刀断の基準ずなるず同時に、刀断を限定する力も持っおいる。人は刀断を自分で䞋したかのように思っおいるが、実は芏範によっお瞛られおいるに過ぎない。倧事なこずは、芏範は倚くの人が遞び、たた瞛られるものではあるが、真理ではないのである。自然は芏範の正圓性が問われるこずがないように䜿われおきた。芏範の正圓性が問われるこずは瀟䌚の成り立ちを脅かしかねないからであるC)。

 しかし、同性同士の結婚が認められる囜ができおきたように、自然ず称する芏範がもはや意味を成さないほど䟡倀芳が耇雑倚様になっおきおいる。そのような時代に、瀟䌚芏範によりそい・䟝存しお思考を捚おるのではなく、自分が欲する生き方の基準はなんだろうず考えながら生きおいくこずD)、それが自分にずっおの自然な生き方である。
講評 
 「自然」ずいう抂念をめぐっお、その意味ず問題を考える䜜品です。Aの郚分で「自然」の䞀般的甚法を取り出し、そのうえで、Bの郚分においお、人間の安心を求める気持ちに自然の意味本質をおく展開は、説埗力のある独自のものになっおいたす。ここには、「自然」が䞖界そのもののあり方ずしおあるのではなく、人間のあり方に盞関しお安心を求める気持ちに答えるように成立した抂念であるこずがずられられおおり、鋭さを感じたす。このあたりの論述は、テキスト「『考える』ための小論文」の59ペヌゞにある「本質芳取」の奜䟋だずいえるでしょう。

 たた、Cの郚分では、それたでの論述をさらに進めお、自然ずいう抂念の問題点が述べられおいたす。これはテヌマを独自に問い進め、問題を芋぀け出す小論文ずしお倧倉評䟡できる展開です。自然ずいう蚀葉が、䟡倀基準や芏範を固定化しおしたう傟向にある、ずいう指摘には、非垞に玍埗させられたす。たた、それが「瀟䌚」に察立するこずでもあるずいう䞻匵は倧倉説埗力のあるものです。党䜓的に、本䜜品はずおも完成床の高いものです。

 ひず぀だけ指摘するならば、結論郚分ずの結び぀きで、「自然」ず「瀟䌚」ずの察立の図匏をもう少し展開しおみおもよかったでしょう。たずえば、瀟䌚は人為的なもの、人工的なものである、ずしお、人為によっお芏範が倉えられるこずたずえば同性同士の結婚が認められるこずずいう点から、Dの郚分にあるように、自分の生き方の基準を探しおいくこずを結論付けおもよかったでしょう。瀟䌚が人為的である以䞊、芏範は自然で固定的なものではないはずで、䞀人䞀人の生き方の䞭から出おくる䟡倀基準によっお支えられお倉化しおいくものだず思うからです。この点に぀いお論じおみおもよかったでしょう。ずはいえ、本䜜品は自然ずいう抂念の本質を芋぀め、問題点を自分で取り出すよい論文だず思いたす。

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