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日本建築士会連合会まちづくり賞

友人の建築士にある賞の審査員をして欲しいと依頼されたのは随分前。日本建築士会連合会主催、まちづくりに関するというので、なんとかなるかなと受けたのはいいが、先月、事前審査の書類が送られてきた。全国から21の応募があり、一次審査で7団体に絞られている。その7団体はすべて「まちづくり賞」受賞なのだが、10月に行われる建築士の全国大会に於いて、その中から大賞1団体、優秀賞2団体を選ぶ審査、しかも公開審査だという。

それでは、と資料を開いてはたと思いついた。受賞となった7団体名が頭に入る前に、21団体全てに目を通して、自分の判断とすりあわせて見よう!資料の読み取りに時間かかりましたが…結果?なんと受賞した7団体中6団体が一致(^_^;) 正直ほっとしました。いずれも相当な活動を繰り広げてきてて、判断できなかったら審査員として申し訳ないからねぇ。

さてさて、自分としては入念な事前学習をしたつもりで、18日の審査会場に。お昼をご一緒させていただきながら、審査の方法などについて事務局の方と委員さんでご相談、他の委員さんはこんな方たちでした。

委員長 真野洋介さん(東京工業大学大学院准教授)
鈴木 浩さん(福島大学名誉教授)
舟山光雄さん(江戸川区都市開発部 市街地開発課長)
村上美奈子さん(東京建築士会 副会長)

プレゼンが各団体10分、7団体終了後、委員による質疑・応答後、公開審査~講評となる。選考は、各委員5点手持ち、それを按分して投票する。3点1点1点、2+2+1、1+1+1+1+1でも構わない。

さてさて、受賞団体は…

まちづくり活動団体名             活動地域
(社)青森県建築士会 みらいのまちづくり委員会   青森県
貸はらっぱ音地                 東京都
なな山緑地の会                 東京都
湘南邸園文化祭連絡協議会           神奈川県
うちのDEアート実行委員会           新潟県
高岡の建築とまちづくりネットワーク       富山県
高瀬まちづくり協議会             熊本県

プレゼン後の公開審査で「建築士会の賞なのに、建築士の関わりが見えない団体もあり、こんなにジャンルが広い活動を一つのものさしで計れない」「建築士的な視点で評価するのであれば、自分の選考結果が変わる」などなど、続出(^_^;) 自分は、まちづくり(この言葉はあまり好きではないし、いったいまちづくりって何とは思うけど、使いやすいので)には関わってきたけど、建築には疎い、そんな自分を委員にするのだから、その視点がない選考でもいいということだと受止めるしかないよね。なので、公開審査の質問も建築とは全く関係ない部分から、でも大事と思えるところを伺った。答えには感動した。

修景とか伝建とか、町並み保存って一体何のために行われるんだろう?という疑問が溶けた。例えば地元鯨ケ丘でも一部空き店舗を和風な作りに変えて、見た目キレイに直し商店会で利用しているところがある、そういうものは、修景というものではなく、ある意味文化破壊だったなぁ、と。あまりにそういう例ばかり目にするので、そういう例が「修景」と思い込まされていた不幸を思った。ここで発表されたものは、建築の保存から始まるが、市民の意識向上はもちろん、壁柱一つ治すにしても、伝統的な技術の保存や復興に広がり、また元々使われていた材料が手に入らない場合は、その復興や、最悪修築そのものを待つ、という、大きな広がりを見せてくれるものだった。

また、湘南文化祭やなな山緑地の会のような活動は、委員の一人がおっしゃっていたが、いわゆる「私財」としての土地建物を、パブリックな市民の宝として、財の概念が変化していく様をみせてくれてた。自分がいちばん印象に残ったのは「貸しはらっぱ音地」の活動。こんな活動があるのかと、資料を最初に見た時から興味津津だった取り組み。建築士の役割を「建物構造物をデザインしたりディテールを考えるということは、プロなので建築士ならできること。これからは、建物ではない暮らしのデザインをどうするか」も考えて行きたいという。

どれも見事なとしか言いようのない取り組みだが、それを審査し無くてはならないという、まぁ難しい審査でしたよねぇ。でも、自分の中ではここと、すっきり決まりました。審査員がつけた点数がホワイトボードに書き写されていく、結構緊張しました。何がって、やっぱり自分は建築には部外者、ということ。そういう委員としての役割があるはずと思っても、あまりに他の委員さんと違ったらやだなぁって、本音のところでは不安でもありました。でもね、結果なんと見事に点が決まったんですね。

票が入らなかった団体は、良くないということでは全くなく、ひとつはプレゼンの視点が(学生さんの関わった団体だったので学生さんの発表だった)求められていたものと若干ずれていたかなということ(プレゼン者の力量も審査の内と確認済み)ところと、広がりの点でこれからと感じさせたところ、ただそれだけの違いとおもいます。

5つの団体に、どれもそれぞれ納得させられる票がはいり、大賞と優秀賞1団体は決定。もう一団体が同票になって決戦投票となったのが上の写真です。選挙速報のようなバラが張ってありますが、委員5名がそれぞれ同票のどちらかにバラをつけるという決選投票の結果、決定。疲れましたが、とても勉強になってかつ面白い審査にかかわらせていただきました。感謝しかありません。

貸しはらっぱ音地さんの取り組みは、地元でもすぐにできそうで面白そう。谷中にいったら寄ってみようっとヽ(•̀ω•́ )ゝ✧

「日本建築士会連合会まちづくり賞」への2件のフィードバック

  1. お疲れ様でした~。

    「建物ではない暮らしのデザインをどうするか・・」というくだりから「建てない建築家・坂口恭平」をすぐ思いだしました。「彼の哲学は理解出来てもすっとびすぎかぁ?」と思っていたのですが、こんな公の建築家の集まりの場の言葉
    で坂口恭平を思い出すとは・・。建てる事を考えすぎるあまり、建てないことを考えずにはいられない・・。

    書きはじめると長くなりそうですが、やっぱり肝は
    人の頭ん中。人間の営み。意識向上などと私は結びつくなぁ・・。あれ、なんかずれたか?

  2. 坂口恭平さんの本読んだの?

    夏に茨城大学で移動ハウスつくりのWSがあって申し込みしてたんだけど、土壇場で用事でいけなくなってた。なんとなく、つながってるのが不思議やねぇ。26日、貸しはらっぱ見学&谷根千めぐりにコース変更してもいいよ(^_^;)

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