ホーム » others » 茨城大学生涯学習講座⑤(2003年)

茨城大学生涯学習講座⑤(2003年)

茨城大学の長〇川先生の生涯学習講座を受けた記録⑤

1回から最後までのメモも見つかったので、課題と一緒にアップ。

 

*****

第1回 4月22日(火)第5講時 茨城大学教養科目公開講座「ビデオで見るジェンダー論」

昨年末、茨城大学の生涯学習公開講座で同様の講座があり、興味を持って楽しみに出かけたんだけど、受講者が長谷川幸介ファンの中高年の女性がほとんどで、ジェンダーのジも知らないって人がほとんどだったみたい。映画を見た後の話あいもそんなわけで盛り上がらず、先生と対で話してきてしまった感があった。もの足りなくて消化不良のまま&納得できないでいたら、今年の大学の学生向け教養科目で行なうと案内をもらい、速攻で受講希望を出した。というわけで、大学生に混じってジェンダーのお勉強。

第1回目の今日はオリエンテーション。当初通常の教室で行なう予定が、講座受講学生が多くなったので、大きな教室へ変更となった。そりゃそうだろう、映画を見て、感想を言うだけみたいな講座紹介だったもの。わたしが学生でも単位取るのに楽な講義って思ったと思うよシラバス見て。

100人以上はいると思える教室に、びっちり学生さん。簡単なレジュメが1枚廻ってきて、それをもとにこれから何を学ぶかについて長谷川先生が面白おかしく話すのだけれども、回りの雰囲気やのりはイマイチ。いつもなら講演でこの辺で笑いが取れるはずのところでもシーンとなってしまって、こんな先生見るのは初めてかも。学生相手だと初めはいつもこんな感じなんだろうか?

社会学を学ぶってここに来た学生なんだろうけど、受験のための勉強しか知らなかった学生にとって、この講義が何の役に立つのか、がピンと来てないらしい。自分の学生時代も同じようだった、「学ぶために学ぶ」ころと、必要に迫られて・興味を持って知りたいと切望して、ここに学びにきているのとの差。こういう学生たちが映画を見て、何を感じたと発言してくれるのか興味津々。一般の受講者は私のほかに同年齢くらいの、ピシッとしたスーツ姿の女性が1人。

一般受講生向けの案内には全10回の講座とあったのだけど、学生向けのを大学の掲示板で見たら、半年間にわたって行なうとでていた。どっちが本当?取り上げる映画も書いてあって「ダラス」「リトル・ダンサー」「ボーイズ・ドント・クライ」などがあがっていた。リトル・ダンサーは昨年の生涯学習公開講座でも取り上げた映画だったけど、たまたまその回は自分は都合が悪くてお休みだった時。その時の話あいが、受講していた人たちから「ジェンダーに関係ない」って言われて先生ショックだったとか言っていたから、先生のリベンジ映画なのかも。

第2回 5月6日(火)第5講時 「グッド・ナイト・ムーン」鑑賞

STORY・・・
イザベル(ジュリア・ロバーツ)は有能なファッションフォトグラファー、自分の倍ほどの年齢の敏腕弁護士と付き合っている。彼には3年前に離婚した前妻との間に2人の子どもがいる。その子供たちが遊びにくるときにはいつもイザベルといさかいが起こる。原題は「STEPMOM」継母が完璧な前妻をみならい、年頃の子供たちの母となるべく奮闘努力するお話。

一方前妻ジャッキー(スーザン・サランドン)は子供ができたせいでキャリア編集者の仕事をやめ、完璧な妻&母を生きてきたが、どんどんキャリアアップしていく夫は家庭を顧みず、だんだんと疎遠になってついには離婚に至った。自分よりずっと若く、キャリアももつイザベルに夫を奪われ、子どもたちもだんだんとイザベルになついていく。挙句にガンに冒され・・・。

見所・・・
子どもへの対処の仕方をめぐって口論になった2人の女、ジャッキーが子どもにとって最前の方法をとり、気配りも必要という。それに対して、イザベルが自分も子育てに懸命だった、しかし子どものことを最優先に生きることはできないと言い放ち去って行く場面。

この後イザベルが自分の言ったように子育てするのかと思いきや、この辺からストーリーは急カーブを描いて感動巨編のつくりになっていく。そのあたりで、自分の期待は大外れ、ちょっとうるっと来ていた目も、見えている画面に「ほんとかいね」と、ぱちくりしばたいてすっかりドライ目。

喧嘩のあと、また2人が今度は冷静に話し合う。完璧に母親役を実行してきたジャッキー。そんな彼女の代役は自分にはできないと告白するイザベル。「子供たちはこの先ずっと自分と彼女を比較し続けるだろう」そのイザベルにジャッキーは、「子供たちの過去は私のものだけれど、未来はあなたのものなのよ」と答える。

これで学生さんたち結構泣けて感動してたみたいです。来週はこの映画を元に講義&話し合いらしい。最後に先生からポイントのチェックをされる。長谷川先生いわく、「ジャッキーは11年前に仕事をやめていて、長女の年が12歳。感動で見ていてはいけない、これをサブミナル効果といい、観客の中に理想の女像を刷り込んでいるのだ」と。そんなのわかってらいと思うのはおばはんだけかも。宿題は映画の感想を今日のレジュメに書いて来週提出。

 

第4回 2003/5/20(火) 第5校時 「息子」鑑賞

「息子」あらすじ
東北岩手の農村の父、三国連太郎から東京で働く次男のもとへ電話が入る。「母親の1周忌だから必ず帰郷してこい」。法事の晩、長男次男長女と近所の縁戚が集まった席で、今後の父親の暮らしをどうするかの相談となる。母に先立たれ、不自由な暮らしをしている父を長男が千葉のマンションに呼び寄せようと言うことで話がとりあえずまとまる。

次男は職を転々とするうちに、職場で見かけた女性に恋心を抱くようになる。その女性にあう為に仕事がはじめて長続きするようになり、やっとの思いで自分の気持ちをその女性に告げ、交際がスタートする。

父が千葉の長男のマンションへ戦友会の集まりを兼ねて泊まりに行くと、長男からここで一緒に暮らすように提案される。狭い一室での暮らし、自然のまったくないマンション暮らしはできないと父は告げる。戦友会の集まりのあと、次男の様子を見にアパートを訪れると次男から「結婚しようと思っている」と美しい女性を紹介される。聾唖者であるが、清楚なその女性と気がかりだった次男が結婚すると聞き、父はうれしさでいっぱいになる。その女性とのコミュニケーションのためにFAXを買い込み、長く留守にした岩手へと帰郷する父。

誰もいない雪に埋もれた家に入り、ストーブに火を入れた瞬間、父は幻想をみる。出稼ぎから帰った自分を迎える昔の我が家。囲炉裏端に家族全員が集って食事をしている。みやげ物を渡すと歓声を上げてよろこぶ子どもたち。身体をいたわってくれる今はなき妻の若いころの姿。祖父祖母も暖かいまなざしを自分に向けてくれる。しかし、それは幻想であり、ストーブの火の瞬きとともに消え去ってしまった。

第5回 2003/5/27(火)第5校時

授業の冒頭、先日私が提出したレポートが印刷され、レジュメとともに資料として配布される。長谷川先生から、紹介があり、20分ぐらいこのレポートについて話すよう突然のフリ!

聞いてないよと思いながらも、教壇に立って自己紹介の後、簡単にレポートの内容を説明する。学生さんたちは、聞いてくれないかと思いきや、刺すような視線を向けてくる。が、途中で質問を挟んでも反応はうすく、長谷川先生がくどいように念を押す話し方をする気持ちがよくわかる。その後先生の講義に移る。

先週視聴した山田洋次監督の「息子」(原作は椎名誠)を題材に日本における家父長制から近代家族への変遷の説明。次週まで宿題として3つ出される。「提出したレポートが授業のレジュメに採用された人は授業に出なくてもAをあげます」と長谷川先生の説明があると学生さんたちはにわかだつ感じ。「レポートの量はどのくらい」と間髪いれず質問まででて、なんとも現金な・・・。いや、私もそうだったよなぁ学生のころ・・・。

課題1 父親の背景にある農家の家族と息子にある近代家族における父親像について
課題2 一番感動したシーンとその理由を述べ、ジェンダー視点で検討せよ
課題3 あの後、父親を取り巻く環境はどうなっていくと思うか?各自のイマジネーションで完結させてみること

第6回 2003/6/3(火)第5校時

映画「チャンス」鑑賞
あらすじ
‘85年に「カラー・パープル」でデビューしたウーピー・ゴールドバーグ主演のコメディ。ウオール街で働く優秀な女性ローレル(ウーピー・ゴールドバーグ)は、頭で勝負する投資コンサルタント。すばらしいアイデアを取引先に提示するが、取引先をストリップに連れて行っていい気持ちにさせて契約しようとする同僚の男性フランクに契約を横取りされ、そのおかげで出世もできなかった。そこで自分で会社を作り独立しようと考えた。だがやっぱり男社会。いいプランがあっても、女では誰も相手にしてくれないのだ。そこでローレルは架空の男性「カティー」を登場させる。カティーというビジネス・パートナーのお陰で、成功し会社はドンドン大きくなっていく。

しかし、仕事が上手くいけばいくほど、カティーの名声は広がっていくばかり。実際にはローレルのお手柄なのだ。そんなときNYの証券取引委員会からカティーがインサイーダー取引疑惑で呼び出されることになる。男装して急場をしのいだローレルだが、追っかけの記者たちに追いかけられピンチ、その時取引先の社長の車が「カティ」を拾ってくれた。助けられた車中で取引先に「証券委員会からかけられた疑惑はローレルに罪をかぶせてしまえ」とアドバイスされ、ついにローレルは切れる!

「カティ」を抹殺することにしたが、もともと架空の人物を殺すのは難しい。秘書のサリーと共謀し事故に見せかけてカティに扮した人形ごと車を爆発させて一件落着のはずが、殺人容疑でサリーともども逮捕されてしまう。無実を証明できずにいたとき、カティが架空の人物というからくりを知ったフランクがローレルと同じ手を使いカティの相棒になりすまし「カティ」を再登場させてしまう。

おかげで殺人の疑惑は晴れたが、カティをフランクに奪われてしまったローレルは失意の日々。そんな中今年もっともすばらしい業績を残したビジネスマンにカティが表彰されることになり、代役でフランクが授賞式にでると知ったローレルは、カティの扮装で表彰式の場にお忍びで出かけ、唖然とするフランクやビジネスマンの前で扮装をひとつひとつ脱いでいく。カティがローレルと解った時、はじめに拍手してくれたのは、給仕などをしている黒人やその場に入ることを許されない黒人や女性たちだった。

 

 

第7回 2003/6/10 休校

第8回 2003/6/17 第5校時

前回の映画鑑賞を踏まえて講義。
日本の女性の就業形態を主に話される。学生さんに卒業後就職する人と聞いたら100%、結婚したら退職する人、子どもが生まれたら退職する人、子どもが2人になったら退職する人、と尋ねていくと数人ずつ増えていくが、ほとんどは定年まで職を持つという。そういう希望とうらはらに仕事をやめざるを得ない女性の状況を丁寧に話してくれるが、聞いていてつらい。教室の雰囲気も暗くなったような気がしたくらい。

女性が働きつづけるにはどういう環境整備が必要かとの問に、父親の家事育児参加や給料形態の見直しまでしか意見が出ない。もっと自由な発想をと長谷川先生が言うが、まだ実感がないのかもしれない。「結婚しないで子どもを持つとか思う人はいないの?」との先生の問いに、隣の学生さんが手を挙げた。

先日読書会で、日本のシングルマザーの状況をUさんが実体験を踏まえて話してくれたが、その手を挙げた彼女は先進的な意識で手を挙げたのが見える。そうはいかない状況を彼女がしるよしもなく、落ち込んでしまう。

講義終了後、先生と話をしてたらおもしろそうな冊子を見せてくれた。ジェンダーフリー教育は日本を滅ぼすという趣旨のその冊子はつくば大の教授が出したもの。H市で男女共同参画のフォーラムなどの参加している長谷川先生に、冊子とH市長宛の公開質問状のコピーが添付してあった。

ジェンダーフリー教育に待ったをかける「会」がH市にはあるらしく、そこからおくられてきたアンケートについていたものだった。冊子をざっと見た感じはマルクス主義=共産党=ジェンダーフリーと結びつけたものらしく、読んでいて気持ちの奥が重くなる感じがした。

戦争に向かうころの歴史を習っている時のような気持ちがする。

第9回 2003/6/25 第5校時

Boys don’t Cry鑑賞

性同一性障害のブランドン(解剖学的な女・精神は男)がホモフェビアの果てに惨殺されたアメリカの実話の映画化。主演したヒラリー・クワンクは1999年アカデミー賞主演女優賞を受賞した。

以前映画公開されたときに渋谷の映画館に見に行って、なんともやりきれない思いで館を後にした。「今日見る映画は~」と長谷川先生が紹介した時には、その時の重さがよみがえってきて、見ないで帰ろうかどうか迷った。気分は重かったが、見逃したシーンや確認のためにと、気持ちを奮い起こして見る。

映画鑑賞後、エンドロールに実話であるためのその後の犯人の刑についてや、ラナ(主人公が恋する女性)のその後の逸話などが紹介されたにもかかわらず、長谷川先生が「この映画は実話です」とコメントすると、隣の学生さん(女性)が「うっそぉ」とひと言。

前期講座であるこの講座も後残り1回、どうも予定の講義がすすまないらしく(休校も1回あったし)次回7月の頭には2校時あるいは2日連続で講座を持つかもしれないとお話がある。

 

第10回 2003/7/1 欠席

第11回 2003/7/8 欠席

第12回 2003/7/15 第5校時 映画ウォーターボーイズ鑑賞

妻夫木聡主演の邦画ヒット作ウォーターボーイズの鑑賞。次回が講座の最終回になるが、そのときにこの映画のレポートを提出してもいいよと先生の言葉、「青春映画ですが、ジェンダー視点で見てくださいね、難しいと思うけど」だそう。

今まで提出されたレポートの中でAのものを配布される。最終回の宿題はこのレポートの感想を書きなさいというもの。私のレポートもAをいただけたらしく、配布される。他に数人のレポートが配られたが、視点がおもしろいものばかり。

第13回 2003/7/22 休講

第14回 2003/7/29
今日で講義終了。テスト及び夏休みなので教室はいつにもまして、がらんとしている。最後にどうしても話しておきたかったこととして、先生が「科学の視点を持つこと」を熱をいれて語ってくださる。言葉を話すことによって概念・世界を知るように自分たちは育ってきたが、その言葉の存在が「知る」ことの裏返しとして必然的に自分たちをその概念で縛られる。文化規範の中で育って、知らず知らずのうちに身につけたその縛りを科学の目をもつことによって破ろう、と。自らがつくっている枠をはずして自らを発見する、その知恵が科学である、と。

男性非婚率世界一を誇る日本の「もてない君」ものがたり

■テキスト 「ウォーターボーイズ」

この映画の主役級の5人の男子生徒のキャラクター付けをよくみると今の男性に課せられたジェンダーの一部が見える。

役柄 、演者 、描かれているキャラクター 、好かれないわけ、望まれる「らしさ」に分けて並べてみる。
役柄:鈴木智
演者:妻夫木聡
描かれているキャラクター:気弱男
好かれないわけ:決断力なし
望まれる「らしさ」:男性は女性をリードする

役柄:金沢孝志
演者:近藤公園
描かれているキャラクター:ガリ勉
好かれないわけ:運動音痴、三高でもドンくさい
望まれる「らしさ」:男は運転・泳ぎ・テニス・スキー等が上手

役柄:早乙女聖
演者:金子貴俊
描かれているキャラクター:女々しい
好かれないわけ:女々しさがおかまっぽい

役柄:太田裕一
演者:三浦哲郎
描かれているキャラクター:ダンスオタク/ヤセ
好かれないわけ:体格が貧相・オタク的嗜好

役柄:佐藤勝正
演者:玉木宏
描かれているキャラクター:マッチョ
好かれないわけ:勘違い体育系
望まれる「らしさ」:マッチョでも顔はさわやか系

日本の急速な少子化の原因として女性の高学歴・晩婚化が言われるが、その裏にある男性の非婚率はあまり注目されない。男性の非婚率は世界一である。結婚観については、働きつづけたい女性が増えパートナーに家事協力を得たいとしているにもかかわらず、男性の側は伝統的な専業主婦志向を抜けきらず、よって結婚したくてもできない男性像と、大変ならば結婚しなくてもいい女性像が浮かび上がる。

このような時代を背景として男性の「もてる/もてない」は昔に比してより切実なものとなっているのではないか。見合いという習慣があり、いつかは結婚するものとされた時代には、100%意に添わなくても結婚はするものという規範のしばりがあったが、今は理想の相手にめぐり合わなければ結婚しないという時代になったのである。そのような時代の青春映画「ウォーターボーイズ」は、男らしくない男を主役にたて、結婚観を大きく変化させてきた女性の中の、変わらない理想の男性像をあぶりだしたといえる。

男らしくない男たちが、男にふさわしくないシンクロをすがすがしく演じ、喝采を浴びることで、そのような「らしさ」や「ジェンダーのしばり」などくそくらえと笑い飛ばした爽快感がある。「男らしさ」ではなく「自分らしさ」を追及した男子生徒が結局は彼女をゲットするというハッピーエンド。

映画の登場人物に近い世代の大学生たちがこのような講義を受け、これからの時代をより生きやすいものにしていってくれるという期待も感じ、最後のテキストにふさわしいと思った。

2003年7月29日提出

 

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

Scroll to Top