2002年ごろ書いていた映画の感想
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チョコレート
/ 主演・ハル・ベリー 2002年
/ アカデミー賞主演女優賞 (予告編はこちら)
アカデミー賞初の黒人の主演女優賞、とびっきりの恋愛なんてうたい文句で、期待して出かけたんだけど、そんなバカなってスクリーンに向かって言いたかったよ。
喪失を受け入れるのは難しいって、「まぼろし」の感想のところで書いたけど、この映画のもう1人の主役ハンクが失った愛=自殺した息子と、親から得ることのできなかった愛の代用品としてハル・ベリー演じるレティシアを「救ってあげる」お話でした。
「愛って何ですか?」って高名なT大のU教授に質問した時の返事を思い出した。「愛は相手を自分の思うがままに支配しようとする暴力的な感情のことです」きっぱりと言ってたけど、ハンクの愛もレティシアの愛も、そのまんま。
喪失感を受け入れられず、何か代用品で心の穴を埋めようとした二人、似たもの同士で引き寄せあった2人が、「愛」ではないもので結び付けられた自分たちを自覚したららしいラストはどう読めばいいんだろう?「とびっきりの恋愛」なんてキャッチをつけた奴はあれをハッピーエンドだとでも思ったんだろうか?