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むかしむかし~映画の感想㉙

2002年ごろ書いていた映画の感想

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talk to her 

/ 主演 ハルビル・カマラ レオノール・ワトリング 他
2002年アカデミー賞最優秀脚本賞 
ゴールデングローブ賞最優秀外国映画賞 (予告編はこちら

事故により植物状態・昏睡状態に陥ってしまった女性アリシアを献身的にケアする看護士、ベニグノ。競技中の事故で昏睡状態に陥ってしまった女闘牛士リディアの恋人マルコは、ベニグノのようにリディアの看護をすることができず、ふさぎこんでいた。

同じ病院で同じような境遇の女性を看護することになった二人の男たちには、いつしか深い友情が芽生えていった。しかし、ベニグノの妄信的な介護は思わぬ事態をまねく。
(あらすじはこちら)

「究極の愛」だというふれこみだった。介護なんて硬い言葉でなく、「ふれるさわるなでる」といった人と人の身体的なコミュニケーションのすばらしさを描いているのだ、と思って見に行った。

だけれども、本当にこれが「究極の愛」なんだろうか?ベニグノのした行為を思うと、嫌悪感しか浮かばない。植物状態を奇跡的に脱したアリシアには、昏睡中に自分に起こったことは告げられていない。「究極の愛」かどうかを決めるのは彼女のはずではないのか?あれを「愛」と呼ぶのはベニグノの側の論理であって、そこに相手・アリシアの意思はまったく考慮されてない。家父長制の中で一方的に「愛」と称され支配を受けてきた、そのことを今変えようとしているのに、こんな映画が「究極の愛」って呼ばれるなんて・・・。

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