ホーム » others » むかしむかし~映画の感想⑦

むかしむかし~映画の感想⑦

2002年ごろ書いていた映画の感想

******

彼女を見ればわかること 

/ 主演 キャメロン・ディアス他 2000年
/ 2000年カンヌ映画祭<ある視点>グランプリ(予告編はこちら
ポジティブな絶望ってこの映画を評した人がいたけど、その通り。「女に出口はない」ってこと!?

自分の能力を活かし、仕事で成功しているにも関わらず不倫で中絶したり、新しい恋人候補が電話をくれないと落ち込む女性など、女性として解放されたのに、根っこのところで何か満たされない思いを引きずっている女性たちを描いている。微妙にクロスする5人の女性のオムニバス映画。だいぶ前、新聞をにぎわせた東電の女性キャリアが売春していて殺された事件を思い浮かべてしまった。

「女の幸せは結婚」と盲目的に信じさせられてきた女性の長い歴史を、フェミニズムが解放し、女性は変わった。でも、そうやって変わってきた彼女たちを取り巻く世の中の物語は依然として昔のまま。「愛」のない生活は空虚だと昔の物語を彼女たちの深層へ送りつづける。

結婚・恋愛・愛なんて人生の幸せのうちのほんのひとつの選択肢に過ぎないそれだけがすべてじゃない。到達点へ向かう人生、何かを成し遂げない幸せはと来ない、愛(恋愛・結婚)のない人生は無意味・・・そんなことない!毎日の生活の中に、心地よさはたくさんたくさん溢れているって、彼女たち/私たちに言おう。それこそが本当の自由への出口じゃないか。

続編が去年(2002?)公開されたはず、ビデオやさんで探してこようっと。

******以下は2020年の上記の感想

自分で書いた映画の感想を読み直して、も一回見てみよう、なんて思っている雨の土曜日の朝。

「『女の幸せは結婚』と盲目的に信じさせられてきた女性の長い歴史を、フェミニズムが解放し、女性は変わった。でも、そうやって変わってきた彼女たちを取り巻く世の中の物語は依然として昔のまま。「愛」のない生活は空虚だと昔の物語を彼女たちの深層へ送りつづける。」これ自分で書いてて嘘だね。

「『女の幸せは結婚』と盲目的に信じさせられてきた女性の長い歴史を、フェミニズムを知ることによって解放され変わっていった女性もいた。」が正しい。

今も変わらないというか、当時なにがしかのインパクトある事象によって歴史の軌道がずれたとしても、そのずれはインパクトある事象が目指した方向に正確に変化するのではなく、その他のもろもろの世の中の事象によって、それらと共にずれていくんだ。

結果として、後から振り返ってみると、螺旋のような三次元の波打つ動き方で、思ってもみなかった方向に進んでいっている、というか「いた」のがわかる。

で、新たな問題が浮上してくる、ということの繰り返しなんだね、歴史って。

すべての状況に対して、私たちは「初心者」であり続ける。変化を望んで活動しても、解決には至らず、新たな課題にまた出会うという…。そういう意味で出口はやっぱり、ないんだ。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

Scroll to Top