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好みと実用は大違い

0113kosiji

まいづる塾でも一緒だった市内の蕎麦屋さん、久しぶりに行ってみるとお茶と一緒に最初に箸がでてきた。黒檀だか紫檀だか、たいそういいものらしい箸。持ってみると華奢を通り越して、力を入れすぎると折れてしまうのではないかと思うほどの細さ。

材質が材質だから折れはしないだろうが、細い上につるつる仕上げ、へたなひとはそばを挟んでもすり抜けちゃうよ。「こんな箸でそばたべるの?」と不思議に思って、それでも食べてみないとわからないと、そばの到着を待つ。

隣の席にいた先客、注文のそばが届いて早速その箸で食べ始めたと思ったら、「割りばしないんですか?」「ありますよ、どうぞ」「この箸では食べにくい」と店員さんとやり取りしている。やっぱりねぇ。

ここのご主人夫妻は骨董の収集がご趣味、壁に集めた品々を飾ってあったりして、なかなかお洒落な店になってるんだ。たぶんそういう趣味の延長でこの箸もお気に入りのカテラリーとして導入したんだろうけど、残念ながら全く実用ではない。

そうこうしているうちに、私のそばも届いたので、「どうれ、使い心地はいかがなものか」と食べ始めた。私、箸の使い方はうまいほうだと自認している、その私でもこれでそばを食べるのは一苦労…10苦労くらい???初めてこの店に来て、この箸でそば食べたお客はびっくりするだろうと思う。腱鞘炎になるかもよ。

知り合いって困ったもんで、割りばしくださいと言いだせなかった。ご自分で気づいてくれるといいんだけど。こちらのお店、趣味はそこそこだけど、最後の最後で変なところがたまにある。蕎麦会席風の食事をすると、塗りものの器の上に瀬戸物を直に乗せて出してきたりする。こういう盛りつけは「ありえない」って、素人の私でも思うんだけど、やっぱり変ですって言いだせない。どうしたもんだろうなぁ。

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