バック・トゥ・ブラック(期間限定特別価格)
久々に聴きひたっているCD、エイミー・ワインハウス。低めのどすの利いた声がメロディに乗って聞こえてくると、「懐かしい」「よみがえる」ってな感じの言葉が浮かんでくる。
外見も、そして時々ワイドショーなんかで取り上げられる奇行なども、「古き良き時代」ってな形容詞がぴったり。音楽が世相の中央に取り上げられてきつつあったころ見かけた破滅型のミュージシャンそのもの、けばい化粧は場末のキャバレー風。でも音楽は、ただただいい。
いろいろ音楽聴いてきましたが、年とともに遠ざけてきた種類の音楽…「そそる」とでもいうか、人の心を揺さぶり、響いてくる音楽。その手法を安っぽくやられると、距離を置くしかないけど、ワインハウスは本質的な近づき方をしているので、哀愁や人生まで感じさせる。ジャンルで言うとジャズ系のソウルシンガーってのがわかりやすいかな。これ日本でやったら、もろに演歌か艶歌。三丁目の夕日にでてくる売れない歌手って感じがする。(話がそれますが、映画のそれっぽい役、小雪がやってますが漫画を呼んできた身としては納得できない配役です。あれは青江美奈みたいなイメージのはず)
天使と小悪魔
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どちらかというと女性シンガーはあまり好きな人は多くはなかった。自分が買ってきた女性ものはかなり偏っているとは思っている。たとえば、明石家さんまのトーク番組「恋のから騒ぎ」のオープニングに使われて今でこそ知ってる人も多くなったけど、ケイト・ブッシュなんて発売当時は「色もの」扱いだった気がする。ビヨークも好きだけど、決して万人受けするって感じではない…。歌がうまいから好きになるというわけでもなく、たとえば友達が好きだというので聞いてみた加藤登紀子なんかは、一時真剣に聞いては見たもののやっぱり好みじゃないって気づいた。
: エンジェルズ・アイ ~天使たちの降りるとき~
愛のロマンス
クラシック系でも山本容子プロデュースのエンジェル・アイやアンサンブル・プラネタなんかは大好きだけど、声を張り上げる歌い方をする女声は聞く気にならない。ポップだとドリカムとYUKIくらいしか聴かない。自分の「好き」がはっきりして来るってのは歳の功のいいところだよね。
車に乗っているとき、今はほとんどエイミーがかかっている。聞きながらなぜか映画の「女はみんな生きている」が思い浮かんできた。エイミーの見た目が共通するのか、音楽と映画の底に流れてるものが共通するのか?
こういう、ふと浮かぶ感覚をとらえて考えつつけていると、なにか大事なものがいつかつかめるような気がする。というか、つかめるかもしれないヒントがぽわんと浮かんできたとき。それは水に浮いた泡のようにすぐ消えてしまって、二度とつかめない感覚なので、その泡が心に浮かんだ時は忘れないで「泡がこういうときにうかんだよ」と手帳にとどめておくようにしている。
エイミーがくれたヒントはどこにつながっていくのかなぁ…。