木洩れ日の庭で
今回庭造りをしながら平行してガーデニング系の本を数冊まとめ読みした。
中で一番よかったのがこの本。著者はランドスケープデザイナーの中谷耿一郎氏。庭を造る際、植える植物はその土地の植生にあったものを植えるべきであると主張する。品種改良された特殊な、しかし花の見栄えのする草花たちを人間の好みで植えるのはある種の「自然破壊」につながるのではないかとも。
農業や牧畜さえも自然破壊の原罪を負っていることを心に留めながら庭と向き合おうという著者。真摯な姿勢が文章の前景に立ち上がってくるようだった。静謐な哲学的な本。取り上げられている写真も息を呑むような広がりと美しさのあふれるものばかり、こんな庭に囲まれた暮らしはどれほど心休まるものだろうと思う。
自分が作ってきた庭は、この本からは遠いところにある庭ではあるが、姿勢だけは心の奥にしまっておこうと思う。