2002年ごろ書いていた映画の感想
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踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!
/ 主演 織田裕二 柳葉敏郎 深津絵里 他2003年 (予告編はこちら)
前作は漫画を読んでいるようなノリで楽しく見た記憶があった。TVの連続ドラマでもお笑い系のお話仕立てで面白かった。でも、それが人気が出てしまって、映画も大ヒットしてしまい、「予定が狂ってしまった」と制作側が一番そう思っているのかも、なんて思いながら見た。
本来、こんな感動巨編みたいなお話ではなくて、軽いノリのTVドラマのシナリオだったし、そういうつくりにあわせたキャスティングなのに、前作のヒットで、続編は前作を越えなくてはならないって重~い荷物を背負わされちゃったんだろうなぁ。すんごく、そこが残念。人に知られてないおいしいもののお店がマスメディアに紹介されて、お客が殺到し、味が落ちるって過程を映画でやっちゃったって感じ。TVで喜んでいた客層はきっとこの映画で、引いたろうなぁ、私も含めて。
面白いと思った唯一の点は、初めてきた女性管理官が、これでもかっていうほど人間味のない人に描かれていたこと。ああいうタイプは、世の中にいることはいるんだろうけど、それをあえて女というカテゴリーのせいのように描いたのは、さすがサンケイグループならではの作りかも。
「ああいう上司って嫌だよね」って共感する人も多いんじゃないだろうか。それを「女」に刷り込もうとするのは、見ていてとても悪意を感じる。その女性管理官は女性の社会進出のモデルのように警察機構の中で振舞っていて、それを本人も利用しながら、上昇志向ぎらぎらさせている。漫画のノリのようなわかりやすいキャラ設定は、だからシナリオ作家の思考が如実にでていて、というより、サンケイグループの上層部を見ながらシナリオを書いている作家の姿が思い浮かぶ。
ジェンダーフリーに対する逆風がこんなところにも現れているっていう見方が、唯一この映画の面白かったところでしょう。
でも、織田裕二ってちょっと好み。好きだった人に口の形と笑顔が似てるんだなぁ。