2002年ごろ書いていた映画の感想
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アメリ
/ オドレィ・トトゥ主演 2001年 (予告編はこちら)
冷たい父親と神経質な母親に育てられたアメリは学校へいけず、一人空想の世界を遊び相手に大きくなった。今はカフェで働いているが,毎日がつまらない。
ある日、浴室のはがれたタイルの奥に宝箱を見つける。以前すんでいた家族の子どもがここに隠して忘れてしまったものらしい。この日からアメリの生活が変わる、「何かすること」を見つけた彼女はその宝箱を持ち主に人知れず返そう、もしそれができたら自分の未来が変わるかもしれないと思いはじめる。
今はうだつのあがらないただの中年男でしかない宝箱の持ち主を、やっとのことで見つけ出したアメリは魔法のようにその宝箱を男の手に返すことに成功し、彼の人生を優しく希望のあるものに変えてしまう。その事件は、アメリに人生の目的を発見した!と思わせた。彼女は、まわりの誰かを今よりちょっとだけ幸せにすることの喜びを見つけたのだ。
夫に逃げられたアパートの管理人や毎日怒鳴られている八百屋の心やさしい店員にいたずらのように幸福を届けているうちに、ある奇妙な写真収集家にである。その日からアメリのペースはおかしくなってしまった,彼女は彼に恋してしまったのだ。
人のことならアイデアと行動力で何でもできるのに,自分の恋愛には不器用この上ない。そう、子どもの頃、家庭に閉じこもって空想の世界に住んでいるしかなかったアメリは人との距離がうまく測れない。近づこうと作戦は練るもののもうちょっとのところで,一歩が踏み出せない。
おしゃれな映画だなぁって思う。昔コミック本の恋愛ものに夢中になっていた頃を思い出させるわくわく感。映画を見終わった帰り、誰もいない帰り道をスキップして歩きたくなるような,楽しい映画でした。映画見ながら,そうだよなぁって思ったもうひとつ、人生って何気ない楽しみにあふれてるんだなぁ。水路で水切りしたり、クリームブリュレの焼き目を壊したり。そんな楽しみを見出せる豊かな時間を持っていたいって思った。