西町の立川さん宅で団扇の展示をしているのを新聞で知って、見に行ってきました。春のおひな様、5月の鍾馗様につづいての展示。お店を改装してから雰囲気がとてもよくなっていて、展示がとても映える。
お店の部分だけと思っていたらお座敷の方まで飾ってあって、正子さんとお母様が丁寧に説明してくださる。
上の写真は団扇の紙が昔の番傘のような油を引いた紙を使ってある珍しいもの。正子さんの説明によると、団扇を水に濡らしてから扇いで使ったものだそうだ。絵は鵜飼の様子とそれを見物する船客が描いてあり、鵜飼いを見物したお客が川で団扇をぬらし扇いだのだろうと…。
パラフィン紙で覆い、さらに薄い箱に丁寧にしまわれた団扇の数々は見ているとその当時の人々の生活が思い浮かべられる貴重な歴史資料ともいえそうなものばかり。
こちらは釜万の団扇、裏に太田小唄が書いてあったので、正子さんがお母さんに促して歌ってくださった。一瞬動画でと思ったけど、なんだかそれも失礼な気がして。
立川家の歴史を含めてお話が聞ける貴重な展示だと思う。こういうことができるというのも立川さんのお人柄や教養(このような言葉を使うと今は茶化しているように聞こえるかもしれないけど、立川さんには素直にこういう表現が使えるくらい昔の大家の奥行きを感じさせられる)ならではかもしれない。
鯨ヶ丘の他のお宅も、こんな感じで始まれたらいいのになぁ。