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落語全集

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先日の落語会には商店会の支援でこの地域のお年寄りに招待券を発行してあった。その招待客の中に、ご近所の桶屋さんのIさんも混じっていた。Iさん、まだゆっくりとお話したことは無い。身体が大きく、あまり笑った所など見たことが無かったので、「落語なんか聞くんだぁ」と不思議な気分で眺めていた。

いつも通りの朝、カフェを開けようと店の前でがたがたやっていたら、そのIさんが「これ家にあった本だけど、オレも先が長い訳じゃないから店にでも置いておいたらいいと思うよ」「オレも昔寿限無寿限無とかやったんだよ」と年代物の本を2冊手渡してくれた。それが上の写真。

「ほんとは上・中・下と3冊あったんだが、上は誰かに貸したんだか、戻ってこなくて無いんだわ」と。ありがたく頂戴して、何はともあれその晩家に持ち帰りゆっくりと本を開いてみた。旧かな使いのルビが丁寧にすべての漢字に振ってある。目次を見てまずびっくり。題字が徳川何とかだの、序文が新渡戸稲造だのすごい名前が載っている。

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これは、自分が持っていても宝の持ち腐れ、隅田川さんに電話をした折り「こんな本をもらいましたが、お使いになりますか?」と尋ねたところ、ほんとに二つ返事で「ぜひ」とのこと。Iさんにもその旨を伝えて「落語家さんに本をお渡ししてもよろしいか」聞いてみたところ、Iさんいたく喜んでくださって「今の落語もいいけど、昔の古典がそのまま載ってるから、勉強になると思ってさ」とのこと。

隅田川さんに本を送るときに、念のためこのIさんが桶づくりの職人さんだと伝えた。次は9月と決まっている2回目の落語会の時、もしかしたら「たがや」をIさんの前で演じてくれたら、なんて楽しみが増えた。
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