掃除や片付けにカフェに通う日々が続いているが、ある朝近くの食堂のご主人が不思議な話を聞かせてくれた。
そのご主人は、市内で活躍している「橋の会」というアマチュア演劇グループの今年の出し物に出演予定。その出し物のチラシができたとかで、カフェの設計を担当してくれたKさんにそのチラシを届けに来たのだという。本人が来れば間違いは起こらなかったのだろうが、たまたま奥さんにチラシを届けに来させたのだとか。奥さんはそのチラシを渡す相手のKさんと面識はない。工事現場に行って「Kさんいますか」と訪ねると作業をしていた50代の男性が「自分がK です」と名乗ったのだという。
Kさんは女性、変だと思った奥さんはKさんの下の名前「ひ●み」さんはいませんかと再度尋ねたら、その50代の男性が「自分の娘はひ●みです」と言ったのだそうだ。奥さんちょっと「?」と思ったがはっきりそういわれたのでチラシを娘さんに渡してくださいと50代男性に手渡したのだそうだ。
その夜、食堂のご主人のところに警察から電話あり、「チラシを渡したのはあなたですね?」。何で警察から電話など来たかというと、チラシを渡されたKさんはやっぱり人違い、本当に渡したかったKさんとその違うKさんの娘さんが同姓同名だったんですって。夜父親から見たことも聞いたこともない劇団のチラシを渡された同姓同名のKさんは、気味が悪くて警察に通報してしまったのだそうだ、「ストーカーかもしれない、全く知らない人が自分の名前を知っている…」と。
食堂のご主人警察からの電話にきちんと説明をしたので、何とか一件落着はしたらしいがチラシを渡した奥さんがびっくりしてしまって、翌日カフェに謝りにきた。謝られても特にどうという被害があったわけでなく、かえって奥さんの方がへこんでる感じで申し訳ない、でもそんなことあるんだねぇ。って、終われば珍しい話。でももう一つオチがあるんですよ。
カフェの設計のKさんに事件の顛末を話をしたら「へぇ~、びっくり」と驚いて、その別人のKさんに挨拶しようとしたんですね。食堂の奥さんが来た日に入っていた職人さんは左官屋さんと電気屋さん。左官屋さんは70代のおじいさんなので、電気屋さんだとろうと、今日電気屋さんに「Kさんはどなたですか?」と聞くと「?」。Kさんという名字の職人さんがいなかったんですよ。どうしてぇ???いったいあれは何だったんだろう?やっぱり、お清めしてよかったのかも。