フォンズ次号で橋の特集をするため、あちこちの橋の写真を撮りためている。今日は里美に行くついでに4か所撮ってきた。
ここは天竜川と里川の合流地点。手前から一直線に伸びている木製の橋が里川のもの、奥にかかっているのが里美旧道沿いの天竜川を超える橋。「屋上屋を重ねる」ではなく、「橋上橋を重ねる」絵って珍しいでしょうね。
実際は重なってはいないで、木造の橋の終わりから小道が左上に向かってあり、そこを登ると上の橋につながる道に出る。木造橋の手前、写真を撮っているあたりには昔住居も数軒あったらしいが現在は住む人もなく、この橋をわたる人もないのではないかと思う。里川のかなり上流にあたるところなので、水害で流される心配は少ないとは思うが、もしそんなことがあると、再建されないのではないかと思う。
今回橋の特集をすることになったきっかけの方がいて、その方はもっと前から橋の写真を撮っておけば、今は珍しくなった木造の橋の写真がたくさん撮れていたのに、と悔やんでおられた。下流の旧常陸太田市では木造の橋が年に何回も流されることが多い。法律でコンクリート製の永久橋は作れないことになっているため、今は木造橋の上流側に鉄骨製の流木よけが景観の配慮もなく武骨に建てられている。
生活上必要な橋はそうやってでも再建される。しかしここのように、住む人のなくなったところでは万一の場合二度とみられなくなる橋もこれから増えるのかもしれない。昔クリストアンブレラ展開催のころ、傘が立ち絶好の撮影ポイントとされた橋もまた秋の大水で流されたままであった。つなぐものを失った橋の画像は何を語ってくれるのだろう。