「もくもくもく」 曽我部昌史。さまざまな長さの杉の丸太を天井からつりさげた形に見える構造物で、内部は丸太の迷路のようになっている。奥まで迷路を進むと階段が現れ、上ると胸がすくようなこんな風景が広がる。
この屋根(?)部分で作家たちは完成BBQなどをやったという。この作品にたどり着くまで、急なこう配の山道を登らなければならない。久しぶりの山歩きで胸がバクバク、足はガクガク。苦労しないと作品に出会えないのは妻有と同じ。探し出した喜びが作品にちょっとした味わいをプラスしている。
内部はこんな感じ。ところどころ丸太にドリルで開けた小さな穴があいていてそこからのぞくと作家が見せたいという風景がピンポイントで見られるようになっている。作品が建っているのは山道の崖のちょっとした平らな部分、思いっきり山肌といってもいいようなところに、まぁこんなにいっぱい丸太を運んで作ったよなぁ。
午前のシンポジウムで作家が話していた。この作品はある大学の研究室でつくったもの。上勝町でアートプロジェクトの説明会を開くときあいにく首謀者の教授は用事で出られず、代わりに研究室の学生を説明会に行かせたそうだ。教授の中では、「途方もない作品のアイデアを話すことになるので、説明に行く学生は玉砕して(理解されずに)戻ってくる」ものだと思っていたらしい。ところが、すんなりアイデアが受け入れられ驚いたという。「すんなり受け入れられる」驚きはほかの作家の作品にも共通にあったらしい。